RECS通信

 

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赤道直下の地で経験した雹(ひょう)の話(君島)

 
 東アフリカの小国ウガンダの話である。皆さんにはにわかには信じられない話だろうが、ウガンダ南部のほとんど赤道直下の地で雹が降った。それも1週間に3度である。いずれの日も午前中は雲一つない晴天だったのが、昼近くなり南の方から積乱雲が広がり始め、あっという間にあたりが暗くなり、突風のような強風と共に土砂降りの雨に交じって雹が降る。2000年5月下旬の、ちょうど日本では茨城県で降った雹がネギを中心に大きな被害を出したとのニュースを知った数日後の出来事だった。

 国の南部にビクトリア湖という大きな水がめを抱えるウガンダでは、湖面が暖められ水蒸気をたくさん含んだ空気が上昇気流とともに上空高く運ばれ、それが急激に冷やされる結果、スコールが降ることが多く、これがウガンダ南部の雨量が多い理由のようであるが、雹が降ることは予想外であった。

 特に3回目の雹はひどく、突風と共に約30分間で50mm以上の集中豪雨に交じって最大直径2センチほどの雹が降った。時間雨量にして100mmを越えるような豪雨は日本でも経験したことがなかったが、視界が20メートル以下となり、排水路はあっという間にあふれた。

 豪雨が去った後、勤めていたムコノ県農民訓練センターの畑を見て唖然とした。さやが大きくなり、あと10日もすれば収穫を迎えるはずのインゲンは雨の勢いで倒伏し、葉は雹で穴だらけ、豆の葉をちぎった時のあの生臭い香りが畑を覆っていた。これも絹糸抽出を過ぎ、登熟に向かうトウモロコシは突風のために傾き、雹のために葉は葉脈に沿って縦にずたずたに裂けていた。また、熱帯作物のキャッサバやパパイヤは葉柄を残し、葉身はほとんど落ちてしまった。そして、播種したばかりの畑は集中豪雨で表土が流された跡がはっきりと残っていた。

 センターの普及員に聞いたところ、このようなひどい雹は初めてだが、あることはあるという。ただでさえ食糧に不足している農民達は、この被害で心を痛めているに違いない。キャッサバは葉が衝撃を受けると何らかの物質が形成されそれが地下部のイモへ移行し、イモの味が非常にまずくなるのだという。ほとんどの作物は播種し直さなければならないので、費用と労力がかかる。それに加え、収穫時期がさらに遅れるため、食糧不足の心配もしなければならないのである。

 しかし、この日の雹による農作物への被害についてはニュースや新聞等で報道されることはなかった。洪水や地震等のように死者を含め、広大な地域に被害を及ぼす自然災害と異なり、雹のように局所的な自然現象では社会的にインパクトは大きくないのかも知れない。
 日本に戻り、この原稿を書いている時、長野県でも雹が降り、房が育ち始めたブドウや出荷間近のスイカを中心とした農作物に壊滅的な被害を与えた。ウガンダでの経験を思い出しながら、あらためて農業のリスクの高さを思い知らされた。

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