RECS通信

 

スポンサーサイト

 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 

北朝鮮の食糧危機について(君島)

 
 (『百姓天国ニュース』1999年7・8月号掲載)(君島崇)

 去る3月中旬、スイスに本部がある国際 NGOからの要請で、農業調査のために北朝鮮へ行く機会を得た。近くて遠い国、北朝鮮では近年食料不足が顕在化しているが、この原因については確たる情報が得られなかった。今回現地へ行き、問題の概要が理解できたので、それについて報告する。
 北朝鮮の経済は、それまで結びつきの強かった旧ソヴィエト連邦及び東欧諸国における社会主義体制の崩壊や中国の経済政策変更によるバーター取引量の減少等、外部環境の変化により大きく後退し、大きな貿易赤字を抱え、外貨準備高が減少している。このため、従来農業部門で唱えられてきた主体思想(チュチェ)に基づく四化政策(潅漑化、電化、機械化及び化学化)を進める前提となる、原油等の原料獲得が困難となり、その結果、高い作物生産水準の維持が困難となった。なかでも、国内の化学肥料工場の生産能力が低下し、肥料供給量が大きく低下したことが、作物生産減少の最大の要因であると言われている。北朝鮮の土壌のほとんどは鉱質土壌であり、肥沃度が非常に低いため、作物生産に施肥は必須なのである。農民からの聞き取りによれば、肥料の施与量はこの10年で約3分の1に減少し、コメの収量は半減したという。
ph_nkr_9903c1.gif

 その他、エネルギー不足により潅漑用揚水ポンプ運転に支障をきたし、農業機械による作業が不可能になる等、経済の低迷が遠因で作物生産環境が悪化していることは容易に想像される。一方、畑作においては、トウモロコシが単作で長年連作されてきたため、土壌が疲弊し、収量が低下している。収量を維持するために、より多くの肥料が要求されている。さらに、過去5年間連続して起こっている、洪水、低温、集中豪雨、高潮、干ばつ、雹(ひょう)等の自然災害は、作物生産をさらに低下させ、食糧需給状況の悪化に追い打ちをかけている。
ph_nkr_9903d1.gif

 現在、北朝鮮政府では、作物の多様化や品種改良、緑肥作物の導入、二毛作の推進等で、食糧生産を増加させる対策を講じているが、これらの努力が実を結ぶのには、まだしばらく時間がかかりそうである。対策のすべてに、やはり施肥は欠かせず、肥料確保には、経済再建が必須の条件となる。 残念ながら、北朝鮮の食糧事情はしばらく改善せず、国際機関を始めとする外部からの援助に頼らざるを得ないようである。
ph_nkr_9903e1.gif
スポンサーサイト
プロフィール

RECS INTL Inc.

Author:RECS INTL Inc.



最新コメント

最新トラックバック



検索フォーム



QRコード
QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。